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山形新聞 なるほど新FPのはなし #5

当社代表の武田幸夫が、令和7年5月31日(土)より新たな執筆者として記事を担当することとなりました。
2月14日(土)の記事は『相続税対策に規制の網 解決へ早めの着手重要』です。


目次

なるほど 新FPのはなし

相続税対策に規制の網 解決へ早めの着手重要

昨年12月に発表された税制改正大綱の中で、貸付用不動産や不動産小口化商品の評価方法の見直しが項目に挙げられました。

一つ目は相続開始前5年以内に取得した貸付用不動産の評価法の見直しです。相続開始前5年以内に購入した賃貸物件は、取得価格の8割で評価されることになりました。それにより、今までのような大きな節税効果は期待できなくなります。二つ目は不動産小口化商品の評価方法の見直しです。これは取得した時期にかかわらず、相続開始時における時価によって評価されることになります。

このように、相続発生直前に行う相続税対策に規制の網がかかるようになってきました。最近の例でいえば、2023年度の税制改正で暦年課税制度を利用して生前贈与を行った場合、相続税に持ち戻して加算する期間が、3年から7年に段階的に延長される改正があり、特に高齢者の法定相続人に対する暦年贈与に制限がかかるようになりました。

小規模宅地等の特例の「3年縛り」というのもあり、相続開始前3年以内に空き地を駐車場として貸し始めたとか、自宅を貸家にして評価を下げる目的等に対して規制がかかり、特例の適用ができないことになっています。

2022年には、「タワマン節税」に追徴課税を課した国税庁の主張が最高裁で認められました。それ以降、税務当局の伝家の宝刀とも言われる通称「総則6項」の適用件数も増加傾向にあります。「総則6項」は、現状の算定ルールに基づいた評価では租税負担の公平に反する場合に時価(実勢価格)に近い評価額で評価するという例外規定です。総則6項は、貸付用不動産に限らず、取引相場のない株式(いわゆる自社株)についても適用されるケースが増えています。このように、駆け込みの相続税対策が安易にできないような制度が次々と出てきています。

これからの相続税対策にとって重要なのは、できるだけ早めに着手することに尽きます。そうすれば打つ手を多く選べ、時間そのものが解決に導いてくれることもあります。高齢になってから慌てて対策を講じても、規制の包囲網にかかる可能性が高くなります。

特に、認知症になったら、原則全ての法律行為ができなくなり、対策どころではなくなります。相続税は相続が発生した翌日から10カ月以内に申告・納税という期限があり、納付は原則、現金になります。期限までに納めなかった場合、延滞税が発生し、支払いが遅れれば遅れるほど納める税額は高額になります。

対策の順序として、最初に行うのは全ての財産の分割対策です。できれば遺言書を作成し、家族の事情に合った分割対策を行います。遺産分割が不調に終わると、配偶者特別控除や小規模宅地特例が使えなくなることもあります。

次に納税資金対策で、期限内に納付できるように現金を確保することは大変重要になります。先に分割・納税資金対策を行い、最後に相続税対策という流れになります。相続税対策を中心に行い、うまくいったつもりでも結果的に税負担が増え、本末転倒になってしまうこともあります。早めに対策を打つことにより、時間を味方に付け、全体として最適を目指すことをお勧めします。

(ファイナンシャルプランナー 武田幸夫=天童市)


内容のポイントまとめ

この記事では、以下の3つのポイントが強調されています。

  1. 「駆け込み対策」への規制強化
    • 相続開始前5年以内の貸付不動産評価の見直し。
    • 生前贈与の持ち戻し期間が3年から7年へ延長。
    • 国税庁の「総則6項」による実勢価格評価の適用増加。
  2. 早期着手のメリット
    • 認知症などで判断能力を失う前に対策が必要。
    • 時間をかけることで、選択肢が増え、より確実な対策が可能になる。
  3. 正しい対策の優先順位
    1. 分割対策(遺言書作成など、争族を避ける)
    2. 納税資金対策(キャッシュの確保)
    3. 節税対策(最後に行う)

もし、具体的な用語(「総則6項」や「小規模宅地等の特例」など)について詳しく知りたい場合は、お気軽にお聞きくださいね。

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