こんにちは! FPコンパスの伊藤です。
前回のメルマガでは、私の母の経験も踏まえ、介護が突然始まり、想像以上にお金がかかる現実をお話ししました。介護は、ご本人だけでなく、介護するご家族、特に女性の方に、精神的、肉体的、そして経済的に大きな負担をかけることがあります。
今回は、そんな「介護の負担」をどうすれば軽くできるのかに焦点を当て、家族みんなが笑顔でいられるための具体的な「知恵とお金」の活用術をお伝えします。
「介護疲れ」はもう終わりに!一人で抱え込まない勇気
介護は、毎日、長期にわたって続きます。一人で全てを抱え込もうとすると、心身ともに疲弊し、「介護疲れ」や「共倒れ」に繋がりかねません。そうならないためにも、外部のサポートを積極的に活用し、家族で連携していくことが何よりも大切です。
私が家族と出かける車中泊の旅では、運転を交代するように、介護も無理なく役割分担することが長続きの秘訣だと感じています。
公的サービスと民間の知恵を活用する!
では、具体的にどのような方法で負担を軽減できるのでしょうか?
- 「地域包括支援センター」を頼る!
- お住まいの地域にある「地域包括支援センター」は、高齢者の総合相談窓口です。介護の悩みを気軽に相談でき、必要なサービスや制度を紹介してくれます。まずはここに連絡してみましょう。
- 介護保険サービスをフル活用する!
- 要介護認定を受けた方が利用できる公的介護保険サービスには、様々な種類があります。
- 訪問介護・看護:自宅に専門職が来て、身体介護(入浴、食事介助など)や生活援助(掃除、買い物など)をしてくれます。
- 通所介護(デイサービス):日中、施設に通い、レクリエーションや食事、入浴などのサービスを受けられます。家族が自分の時間を作れる大切な機会です。
- 短期入所生活介護(ショートステイ):短期間、施設に宿泊し、介護サービスを受けられます。介護者の休息や旅行などの際に利用できます。
- ケアマネージャーがあなたやご家族の状況に合わせて、最適なケアプランを作成してくれますので、積極的に相談しましょう。
- 要介護認定を受けた方が利用できる公的介護保険サービスには、様々な種類があります。
- 民間の介護サービスや代行サービスも検討!
- 公的介護保険だけではカバーしきれない部分や、さらに手厚いサポートが必要な場合は、民間の介護サービスや家事代行サービスも選択肢になります。費用はかかりますが、家族の負担を大きく軽減し、精神的なゆとりを生み出します。
- 家族内での情報共有と役割分担
- 介護の状況や必要なサポートについて、家族全員で情報を共有し、無理のない範囲で役割を分担することが重要です。定期的な家族会議を開いて、介護の進捗や困っていることなどを話し合う機会を持つと良いでしょう。
「介護離職」を防ぐ!働き方と制度を知る
介護のために仕事を辞めてしまう「介護離職」は、収入の途絶えだけでなく、自身のキャリアにも大きな影響を与えます。介護離職を防ぐために、以下のような国の制度を活用することも検討しましょう。
- 介護休業制度:介護のために一定期間休業できる制度です。
- 介護休暇制度:介護のために必要な時に取得できる休暇制度です。
これらの制度は、企業によって取得条件が異なる場合もあるため、勤務先の総務部や人事部に相談してみましょう。
「自分自身」と「夫婦の時間」も大切に!
介護を続けていく上で忘れがちなのが、介護する側のあなたの心身の健康です。そして、夫婦関係です。
私自身も、妻と子育てや家事の分担を常に意識しています。子育てがひと段落した50代は、夫婦二人の時間を改めて楽しむ大切な時期でもありますよね。介護があるからと諦めず、ショートステイを利用して夫婦で旅行に出かけたり、自分の趣味の時間を持ったりする工夫も必要です。FPとして、お客様の介護のご相談を伺う中で、ご夫婦で協力し、外部のサービスを上手に活用しながら、ご自身の人生も大切にされている方の多くは、いつも笑顔でいらっしゃるなと感じています。
介護は一人で抱え込むものではありません。
公的なサポート、民間のサービス、そして家族の協力…様々な「知恵とお金」を上手に活用することで、家族みんなが笑顔で、自分らしい生活を続けていけるはずです。
FPコンパスは、あなたが介護の不安を乗り越え、安心できる日々を送るための最適なプランを一緒に考え、お手伝いさせていただきます。お気軽にご相談くださいね。
次回は、誰もが不安を感じる「認知症への備え」について、医療・介護・お金の視点から詳しくお話しします。どうぞお楽しみに!

FPコンパスファイナンシャルプランナー
1981年2月生(うお座)/神奈川県出身/東京造形大学デザイン科卒
1男1女の父/趣味:ランニング(月200km)登山、料理、筋トレ、社会人サッカー所属
印刷会社でデザイナーとして11年勤務。その後ソニー生命で5年、生命保険を取扱う。
2018年妻の病(がん)をきっかけに山形へ。経済的・精神的不安定な時に、頼れるのは国の社会保障と自分の蓄え、そして人のつながりだと痛感。この経験を活かし、困ったときに頼れる、困らない「しくみ」と「保障」を提供し続けます。
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