こんにちは。
山形天童で公務員向けに情報発信しております
FPコンパスの伊藤です。
今回は「火災保険」について解説していきます。
助手のきみ子です。よろしくお願いいたします。
はじめに、民間の保険会社が提供している「火災保険」と、公務員特有の各種「共済組合」が提供している「火災共済」は、全くの別物ですので、区別した上で解説いたします。
火災保険と火災共済の違い
「火災共済」については別の記事で詳細を解説します。
今回は主に「火災保険」について解説していきます。
「勘違い」されやすい保険
実は火災保険は、
とっても「勘違いされやすい」保険なんです。
そうなんですね。
どんな所がでしょうか?
勘違いされやすい点は次の3点です。
- 「火災」だけじゃない火災保険の補償範囲
- 使ったら保険料が上がる?
- 出火元の人に賠償責任はないの?
火災保険というと火事のときの保険というイメージが強いですが・・・。
そうですね。一般的にはそのようなイメージがあると思います。
もちろん火災の時に役立つ保険なのですが、支払いの件数でいうと、火災保険は火災事故より、自然災害での損害に対して給付することが圧倒的に多いです。なので火災だけでなく、自然災害も含め「家を守る為の保険」「建物の保険」と言えます。
1 「火災」だけじゃない火災保険の補償範囲
各社プランは概ね3つくらい用意されています。範囲が広い(ワイド型等)と保険料が高く、スリム等の範囲を狭めると保険料は安くなります。
この中で、「水災」は注意が必要です。
なぜですか?
ベーシックプラン以下のプランでは補償されてないケースが多いからです。
あ、ホントだ!
でも、なんで水災はベーシックには含まれてないのですか?
理由は2つ。
1つはお住まいのエリアによって、リスクが異なるからです。
洪水や土砂災害は、「ハザードマップ」で危険度を確認できます。
ハザードマップ、見たことあります!
ハザードマップはかなり精巧に出来ているのでしっかり確認すると良いでしょう。
ここ最近リニューアルされた所が多く、各自治体で配布されているようです。インターネットでも公開されいますのでお手元に無い場合は「ハザードマップ ●●市」等で検索してみてください。
もう一つはどんな理由ですか?
2つ目は保険料です。
補償範囲が広がる、金額が大きくなると保険料は比例して上がります。水災のあり、なし、で保険料が1.5倍くらい変わってきます。
それは大きな違いですね。ハザードマップをちゃんと見て、大丈夫そうなら水災はなくてもいいのですか?
理論上はそうですが、自然災害は予測が出来ませんので、備えられるのでしたら補償は用意しておくべきと考えます。
2、保険を使ったら保険料が上がる?
保険って使ったら保険料が上がっちゃうんじゃないかと不安になります。
そうですね。それはおそらく自動車保険の保険料の仕組みがイメージにあるからだと思います。
自動車保険には「等級」と「事故係数」という考えで事故を起こした人が次年度以降保険料が高くなるように設定されていますよね。
はい、保険を使うか使わないか、修理にいくらかかるか比較して決めます。
火災保険にはそういった設定はないので、何度使っても保険料は変わらないんですよ。
そうなんですね!
ただし、保険料は個別の事故の回数では変わらないのですが、全国で災害の被害額が大きくなると、後々保険料に影響してきます。
そういえば最近は災害が増えている気がします。
そうなんです。地球温暖化の影響など諸説ありますが、自然災害が増え、被害額も増えているので、保険料は残念ながら増加傾向にあります。
3、出火元の人に賠償責任はないのか?
3つ目はこのテーマです。
隣の家の火事が原因で自分の家も燃えちゃったら、賠償してほしいです。
そうですよね。
一般的には、他人の財物に損害を与えた場合、賠償する責任が発生します。
しかし、日本には「失火責任法」という法律があり、「失火(過失による火災)の場合は、損害賠償はしなくて良い。ただし重大な過失の場合を除く」といった内容が定められています。
損害賠償しなくて良いってことは・・・
もらい火で自宅が火事になっても、賠償してもらえません
ええ~!それはショックです!!
自分がいくら気をつけてももらい火までは防げないから、火災保険は自分で用意しないといけないんですね!
そのとおりです。
保険は全て請求主義
あと、当たり前なのですが、
どんな保険でも「請求主義」ですので、補償内容をしっかり理解していないと、そもそも請求が出来ません。
契約した時は説明されているはずなんですけど、どうしても時間が経つと忘れちゃいます。
そうですね。
住宅ローンなどで10年一括契約をしている(2015年までの契約は最長36年)などして、「契約内容をわすれてしまった」という方はすくなくありません。
火災は滅多に起こらないかもしれませんが、それもで可能性は0ではありません。また、自然災害は近年増加傾向にありますし、被害も大きくなっていますので、決して他人事では無いということを覚えておいてほしいです。
まさか自分が、という時に、ちゃんと再建できる準備は大事ですね。
公務に携わる方だと、自分を後回しにしてしまいがち、ですが、改めて確認をお願いします。
今日もとっても勉強になりました。
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